この出会いをきっかけにして、結婚し、25周年を迎えました。初めての出会いを今でも鮮明に覚えています。自然な雰囲気のなかで、穏やかに会話がすすみ、この人とならいっしょに行けそうだと思ったのが第一印象です。その後、何度かお会いし、1年足らずのうちに結婚しました。
日々穏やかな暮らしの中で、今でも、良く覚えていることがあります。結婚式の際の、神父さんの言葉です。老夫婦の会話の場面で、奥さんが「コーヒーにしますか?紅茶にしますか?」夫「コーヒー」。その翌日、奥さんが「コーヒーにしますか?紅茶にしますか?」夫「コーヒー」。
毎日がこの繰り返しです。奥さんは夫の好みを知らないから聞いているのではありません。夫は新聞を読みながら、いつものように新聞から手を伸ばし、コーヒーを飲みます。このような穏やかな時間を一緒に過ごし、その積み重ねを大切にするように、との祝福の言葉でした。
25年の間には、何度か転勤があり、仕事の内容も転勤の度、さらに会社の構造改革でその度毎に大きく変わりました。一人娘は幼稚園、小学校と数々の思い出を残しながら、今は大学生。結婚式の時にはそれぞれの両親がそろってお祝いしてくれましたが、今ではそれぞれの両親は他界し、3人のみの家族となりました。
25年の間に、仕事の中身や、世界を取り巻く環境は大きく変わりました。しかし、特に何かを主張する訳でもなく、穏やかな時間を一緒に過ごし、一緒にコーヒーを飲む。穏やかに時間を共有することが幸せの第一歩だと実感します。