嵐のち晴天ときどき曇り

今から30年前の台風一過の9月18日、青空のもと私たちは、都内の某有名ホテルで結婚式を挙げました。式は、夫の友人による合唱、師事していたソプラノ歌手の独唱、フルートとピアノの重奏など、まるで音楽会の様相を呈して華やかなものになりました。
新婚旅行はヴェネチア、ウィーン、ブタベスト。ヴェネチアで夫の両親に電話をしたところ、父親から「即刻、帰国して結婚式の参列者に謝罪に行け」とのお達し。聞けば式において参列者の半数の50名が食中毒にかかったとのこと。
しかし、帰りのチケットを変更し宿泊ホテルをキャンセルする訳にはいかず、暗い気持ちで旅を続けました。
帰国してすぐ、不本意ながら謝罪の行脚をしようにも時すでに遅し。既に両親が謝罪に回っていて、することなしの状態でした。
折角、親の手を借りず、二人で式の準備をしたのに、突然親がしゃしゃり出て釈然としないことこの上なしでした。
因みに食中毒の原因は、式で出されたホタテ貝の水洗いがなされなかったとのこと。経済紙には老舗ホテルの開業以来初めての不始末で大きく取り上げらられました。

そんなこんなで新婚生活は波乱の幕上げでしたが、お互いいろいろ病気もし、大きな手術を受けましたが、多少の喧嘩はしつつも仲睦まじく生活しています。
3月末、夫は退職しましたが、二人で午前中はスポーツジム通い、午後は読書三昧の日々。幸い二人の趣味はほぼ一致しているので絵画・映画鑑賞、スポーツ観戦、旅行等一緒に楽しんでいます。

先の見えない世の中にあって、これから結婚という新たな船出に乗り出す方々も理不尽なことに巻き込まれることもあるかもしれませんが、二人で力を合わせて立ち向かえば大概のことは乗り越えられると思います。皆さんの新たな門出に際して幸多きことをお祈りしています。

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