懐かしいしきキューピッドのマークが描かれた白い封筒を目にしたとき、ああ結婚20周年なんだと、今さらながらに気が付いた。確か15周年の時もいただいたが、世はちょうどコロナ禍で、外食は慎みましょうという風潮だったのでうやむやにしてしまった……
そんなこともあり、もう招待はないかもと思っていたので、この再会をとても嬉しく感じた。
さて、20周年――調べてみると、20年目は「磁器婚式」に当たるのだそう。年月を重ねるほどに価値が増し、深みと風格を増していく磁器を、夫婦の関係になぞらえているのだとか。
うーん、20年……長かったような気もするし、あっという間に過ぎてしまったような気もする。年を重ねていることだけは確かなのだけど。
その間、緑の高原を散歩しているような爽快な時期もあれば、ぬかるみで悪あがきを続けているような、どうにもならない時期もあった。どんな時も常に伴侶が隣にいた。隣にいる以上、酸いも甘いも分け合いたい。
この先も味わうだろう色々なこと――どんなことも、磁器に味わいや深みを添える「色合い」に変えることができたら素敵だなと思う。魅力溢れる磁器の完成形をイメージしながら、これからも二人で共作していこう。