結婚5年目に寄せて

結婚2年目に生まれた娘は今年で4歳になります。
娘はこの春からピアノを習い始め、同じくらい小さな時からピアノを弾いている主人は、自宅での練習も熱心に付き添っています。楽しそうに、時折喧嘩(?)する二人を横目に、私は台所で夕食の支度をすることが週末の日課となっています。
ふと、主人と出会ってまだ数年である事実に気づき驚く自分がいます。子供の頃、両親、祖父母、兄姉に囲まれていた時は主人は確かにいなかったけれど、もう長く一緒にいたような錯覚を感じます。
先日Cupid Clubから久しぶりにお手紙を頂き、ああそうだった、ここで出会ったのだったと思いだした感覚は大変不思議なものでした。
入会前の私には結婚願望はあまりありませんでした。結婚して子供をもうけ、何か一皮剥けたような友人を多く見てもなお、滅私で仕事に集中する方が自分には合うだろうと考えていたからです。

いつだったか、雑誌にCupid Clubの広告があり、気づくと躊躇なく資料を請求していました。誰かと過ごしたいと思ったのかあまり覚えていませんが、翌月には当時銀座にあった会社に出かけてお話を伺いました。居心地の良い誰かと過ごすのは幸せなことですが、待つのではなく、自分が相手のために何ができるか、思いやりを大切にするというポリシーに共感し、お互いに思いやれる誰かを探してみたいと思いました。
主人はもう覚えていないかもしれませんが、彼のプロフィールシートは彼が撮影した私たちの故郷(偶然にも同じ県の出身でした)の写真、嗜んできたピアノをイメージした音符が飾られ、几帳面な性格をよく表す丁寧な文字で自己紹介が綴られていました。
話してみたいと即座に申し込み、コンラッドで初めて会い、昼食を頂きながらお話ししてみると驚くほど共通の話題や視点があり非常に楽しかったことを覚えています。二人とも山が好きなので、夜明け前に車で出かけ、明け方の清々しい景色を何度も共有しました。お互いの家族も、実家から遠く離れた地でよくもまあ良縁を見つけたものと驚いていました。結婚式は家族とわずかな親友とともにこじんまりと、途中からピアノを演奏できる家族が次々とお祝いの曲を披露する発表会となりました。

あれからコロナ禍があり、世知辛い世の中と溜息をつきながらも共に過ごし、娘を迎え、衝突することはあっても日々を積み重ねてきました。きっとこれからも時には真剣に喧嘩をして、それでも協力して家事と育児をこなし、お互いの価値観を大切にして歩んでいくのでしょう。
主人と娘に出会う機会を与えて下さったCupid Clubに改めて感謝を申し上げるとともに、「相手に何ができるか、相手を思いやる」ことを礎に家族で日々朗らかに過ごしていきたいと思います。

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