No.4597
一人より二人で
今年の10月で結婚30周年になります。二人の共通の趣味は旅行です。初めて会った時も旅の話しで会話が弾みました。
子育てが一段落した三年ほど前、主人が以前からチャレンジしたいと言っていた中山道ウォーキングを始めました。日本橋を出発して初めは日帰りで、東京からの距離が遠くなるにつれて泊まりがけで。和田宿から諏訪湖に抜ける、数ある中山道の難所の一つ、和田峠の山道では主人が滑って転んで5ヶ月前に痛めていた肩をぶつけてしまいました。その後泊まった温泉宿でキズを癒したのは良かったのだけれど、調子が良いからとお酒を飲んだら、食後急に顔色が悪くなり意識ももうろうになり、やがてぐったり眠ってしまいオロオロ。ほどなく目覚めたので大事にはいたらずに済んだのですが、怪我に飲酒は厳禁だと初めてつくづく感じました。夏の暑い時期は熱中症の危険がある為歩けませんが、秋の雨模様や春の小雪混じりは歩きはじめてしまうと目的地に着くまでは我慢大会のように黙々と歩くことになります。三月、奈良井宿からの鳥居峠の道は、綺麗な石畳みのはすが、雪が積もっていて雪山登山の様でした。地元の方によると「こんな時期でも歩く人は外国人ぐらい」とのことで、実際途中すれ違った方は外国からの旅行者のみでした。今は、中山道のハイライトである木曽路をちょうど過ぎたところです。街道沿いの造り酒屋に寄ったり、和菓子屋でお薦めのお菓子を買ったり、時には三十年の間にあった様々な思い出話をしたりしながら。
主人一人の旅だったら心配は尽きなかったでしょう。二人だからこその旅を怪我無く、励まし労いあって続けていきたいです。